【中国・伝説】中国神話の月と太陽に関する伝承まとめ 日本との関係を簡単に解説します!

中国史・神話

この記事では、中国の太陽や月に関する伝承をまとめています。太陽や月は日本にとって文化や生活に強大な影響を与えてきたものの一つです。特に太陽は日本国旗にも描かれていますし、また日本人の祖として天照大神(太陽神)を伊勢神宮を始め多くの神社で祀っています。そんな太陽や月の中国における伝説。ぜひご一読ください。

太陽について

 中国神話の中では、太陽に烏と鶏がいると言われています。それらはそれぞれ、火烏と金鶏とよばれ、太陽の陽の気が凝り固まって出現したと言われています。そして陽の気は数字で表すと奇数とされますので、彼らは足が三本あります。日本神話の八咫烏も高天原の天照大神(太陽)からのメッセンジャーであり、同じような概念であると言えますね。

また太陽は、車に乗って東から西へ空を駆け抜けていると考えられていて、その車には六頭の龍が結び付けられていたといいます。その龍を羲和という人が操ってその車を動かしたとされています。こうして太陽は一日をかけて昇って沈んでいくと考えられたそうです。この話はギリシャ神話で、太陽神であるヘリオスが馬に乗って一日一回東から西に行くという話に似ているので、どちらかが影響しているとも言えそうです。

太陽に関するもう一つの説

 「山海経」という中国の書物には又違うことが書いてあるという。鐘山というところに燭陰という神様が住んでいました。この燭陰さんが目を開けると、世界は明るくなり、目を閉じると真っ暗になる。すなわち明るいときが昼であり、暗いときは夜である。また、彼が口から息を吹くと世界が寒くなり、これが冬の始まりである。また口を開いて話すと、たちまち熱くなる。これが夏の始まりである。という話もあります。

 太陽の精霊として、金鶏と火烏を先程紹介しましたが、いくつかの神話では人間であるという説もあります。彼の名前は鬱華といいます。彼は人間界で専任をしていた方でしたが、なくなった後に天に昇りそのまま、太陽に留まったと伝わります。

太陽に関する逸話

  堯の帝の時代、羲和国という国が存在し、その国に羲和という女性がいたと言われています。羲和さんは俊の帝と結婚し、九個の太陽を産みました。それによって十個の太陽が空に存在することになってしまいました。

一つでも暑いのに十個となるととても暑く、くさきが焦げてしまいました。堯の帝はそれをとても驚いて、「これは大変だ。世界が焼き滅んでしまう前にどうにかしないとおお、」ということで、弓の達人である人物を呼んできて、9つの太陽を弓矢で射抜いてくれと頼みました。彼は早速天に弓矢を放ち9つの太陽にいる火烏を殺しました。

月の桂の木について

  月には一本の桂の木が生えていると言われています。そして桂の木の下に男が一人いて彼が、斧を持って四六時中木を切っているが、、月の桂は永遠に倒れない。なぜなら切っても切ってもその傷が一瞬にしてなくなってしまうからです。

男はそれでも一生懸命おのを振り続けました。なぜこんなに頑張るのか。それは彼のバックグラウンドを知ることでわかります。 男の名前は呉剛という。始めから月に住んでいたのではなく、もともと地上に住んでいて、仙術を学んでいた方でした。彼は仙術を極めて立派な仙人になることを夢に見て日々努力を続けましたが、ある日ある過ちを犯してしまいます。それに対して彼の師匠が激怒し「おまえなんか、仙人になれるものか。月に追放してやる。月には桂の木があるそれを過ちの罰として必ず切り倒さなければならない」よ言われたそうです。その言葉に従って男は今日も桂の木を切り続けるのです。

月の影について

 昔あるところに男がいました。彼は「死」を考えるといつも怖くなってしまいました。せっかくこの世に生まれても死んでしまっては、今努力していることは何になるのだろうかと考え込んでしまいました。そこで妙案を思いつきます。それは西王母のところに行って不死の薬を貰いに行くことです。

そして西王母のところを訪ね無事不死の薬を手に入れました。そして家に帰ると男の妻である姮娥が、男のもらってきた不死の薬を盗んで飲んでしまいます。そしてたちまち仙人になり、男から逃げるため大空に駆け上って月まで行ってしまいました。この女は不死の薬の効果で月で生き続けています。月のクレーターは彼女の姿であるとも言われます。

月のうさぎについて

 日本では一般的な説の一つうさぎが住んでいる説の中国バージョンです。

月にはうさぎが住んでいてこれを玉兎と呼びます。夜になって月が空に照りだすと、兎は薬を作ります。世の人々に対して幸福を与えるのはこの玉兎の仕事であると言われています。

玉兎は夜中の間ずっと薬を作っているので、夜が明けると疲れが出てなむってしまうのです。そして日が暮れるころ又起きて働きます。

月にあるお城

 月には広寒清虚という美しい場所が存在して、中心には宮殿があり、その周りには瑠璃色の田んぼが広がっていると言われている。

広寒宮には美しいお姫様がたくさん住んでいて、真っ白の鳥に乗ってやってきて、あの男が常に切り落とそうと頑張っている桂の木の周りで音楽に合わせて舞を舞っていると言われています。

昔ある人が仙術で月の世界に遊びに行ったことがあったそうですが、舞と音楽がとても美しかったと回顧しているそうです。

まとめ

 今日は中国神話における太陽と月についてお話しました。太陽や月は古くから多くの地域で信仰を受けてきたものであり、地域によって考え方に差があり、その違いを学ぶことがとてもおもしろいと思います。

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