【朝鮮神話・新羅】日本人??新羅四代王脱解について詳しく解説!(昔氏王朝始祖神話)

新羅

この記事は古代朝鮮に存在した国「新羅」の2つ目の王朝である昔氏の始祖、新羅四代王脱解について解説しています。脱解はなんと日本人という説もあり、朝鮮神話の中でも大変愛着のわく王様の一人です。血筋ではなく努力で王まで上り詰めた男の一生、是非ともご一読ください!!

前回の記事を読まれていない方はぜひご一読ください。

脱解のルーツ

 脱解のお父さんは、含達婆という人で多婆那国の王でありました。ちなみにこの多婆那国は丹後国ではないかと言われていまして、倭国にあると明記されています。

脱解は、お母さんのお腹の中に七年もこもっていたので、皆心配していましたが、七年目にやっと生まれてきて皆大喜びしましたが、生まれてきたそれは大きな卵だったのです。先程まで喜んでいた人々は一気に落ち込んでしまいました。 そこで王様はそんなものは不吉だから海に流しなさいといいました。

しかし脱解のお母さんは自分が腹を痛めて生んだ子をそう安安と流すことはできません。せめてもの愛情に、卵を絹でくるみ、宝物と一緒に海に流されました。

その箱は、海を流れ、金宮国に流れ着きますが、そこの人々もそれを不吉がって、また海に捨てられてしまいました。その後も箱は旅を続け最後には朝鮮半島新羅国にやってきたのです。

脱解新羅へ

 新羅の海岸に独り身の寂しいおばあさんが腰を掛けていると、おばあさんの方に向かって箱がやってきます。ふしぎがって箱を凝視すると、しっかりと鍵がかかっていて立派な箱でした。 おばあさんは何が入っているのかと胸を躍らせながら開けることを試みました。

その時です。たくさんの鵲が箱の周りにやってきて、嬉しそうに飛んでいました。それを見ておばあさんは、なにか祝福ているか、守護しているようにも見えたといいます。

おばあさんがその箱を開けようとすると、鍵がかかっていたにもかかわらず難なく空いてしまいました。そしてその中を恐る恐る見てみると、そこには男の子の赤ちゃんがいました。

いつも寂しくしていたおばあさんは、「寂しがっている私への神様からのプレゼントに違いない」と自分の子として育てることにしました。

脱解の名前の由来

 おばあさんはまず名前をどうしようかと悩みました。そんなとき箱が流れてきたとき鵲がやってきて守ってくれていたことを思い出しました。

そこで鵲の鳥を外して、昔が姓、また箱を解くことで中から脱したので、脱解という名前をつけました。そうして昔脱解が誕生したのです。

その後脱解はどんどん大きくなっていきました。また賢くもなっていきました。魚をとることがとても上手だったので、海に出て働き、おばあさんのことをやしなったのです。

おばあさんのアドバイス

 ある日おばあさんは、脱解にこれからは働くだけでなく、学問もしっかりしなさい。そして立派な人間になりなさいとアドバイスをしました。

そのアドバイスを聞き入れて、脱解はひたすら学問をしました。すると世間に知られるほどの天才になっていたのです。ある日新羅の首都慶州にある吐含山に登り、四方を眺め、自らの居城をどこにするかと考えました。すると慶州の南の方蚊川のあたりの土地が気に入りました。しかしそこは大輔瓠公(この人も日本人)の住居だったので、どのように奪い取るか考えていました。

そこで脱解は、屋敷のあたりに鍛冶職の使う炭を埋めておいて、この土地は私の先祖のものですから返してくださいと言いに行きました。すると瓠公も驚いて、そんなはずはないといい、お互いに決着がつかなかったので、脱解の秘策である、炭を掘り起こして証拠とし、その土地を手に入れてしまいました。

出世

 脱解がいろいろなことをしているうちに、脱解の能力や、出生に関することなどが世の中に知れ渡ると、新羅の王様からいろいろなことを相談されるまでになりました。それは政治に関することもでした。脱解はとても頭が冴えて、優れた才能を持っていたので、王様に敬愛され新羅の第二代王南解王によって、王女に婿入りすることになりました。そして、3代王儒理王の王位を継いで、第四代王となったのです。

即位したときの脱解はすでに62歳になっていました。はるばる日本からやってきた卵は王様にまで出世し、歴史に名を残したのです。

その後

 今から2000年ほど前のこと、日本が崇神天皇の治世の頃、朝鮮に今も残っている月城という場所は、第五代王婆婆王に王位を譲位した後脱解が住んでいたところで、半月城とも言います。そこにある山林には脱解を祀る崇信殿という廟が今でも残っています。

新羅国はこの後、朴、金、昔の3家によって統治されることになりますが、脱解はそのうちの昔氏の始祖であるわけです。

脱解ゆかりのスポット

世界遺産・半月城(韓国・慶州)

脱解が居住していたとされる場所です。こちらは慶州にあります。

世界遺産・崇信殿(韓国・慶州)

脱解を祀る廟です。こちらも慶州にあります。

慶州周辺の世界遺産についてはこちらから(英語版)

まとめ

 京は脱解についてお話をしました。卵のくだりなど、以前と似ている点も多くありましたが、日本から流れてきた日本人であるということ、またなんとなく桃太郎にも似ていたような。。。日本の神話と比べて見ても本当に面白い朝鮮神話の一幕でした。

次回も脱解の時代についてです。

それでは。

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