【朝鮮神話・高句麗】「朱蒙の誕生について」高句麗の開国神話についてわかりやすく解説します!

朝鮮史・神話

ここからは大変有名な朝鮮の国々高句麗、新羅、百済の建国神話を解説していきます。今回の記事では、古代朝鮮に存在した高句麗という国の建国について、その国を建国することになる朱蒙とその先祖の話をしながら解説しています。名前は知っているけど何をした人なのかわからないなど、疑問のある方はぜひともこの記事をご一読いただければと思います。その前の時代に当たる箕子朝鮮の記事をご覧になっていない方はぜひお読みになってください。

夫余の国で

 昔朝鮮には夫余ふよの国という国がありました。その国の王様解夫婁かいふる(太陽神)は年老いて子がおらず、跡継ぎに困っておりました。そこで跡継ぎを授けてほしいと思い神様を祭り、お祈りしていました。

すると王様の乗っていた馬が、ある岩を見て悲しそうにしました。一度目は気づきませんでしたが、その岩の近くを通るたびにその岩に鼻をつけていなないていたので、流石に王様は不思議に思い、家来に頼みその岩を転がしてみました。するとそこに金色でまばゆい光を放ち輝く子供が現れたのです。

王様はその子供を日頃の願いが神様に通じたのだと思い、引き取って養うことにしました。

その子供は「金蛙きんあ」と名付けられ、(ネーミングセンス)すくすくと育ち、王様に大変可愛がられていました。そんなある日、王様は夢を見たのです。天の使いが国を東の方の海の近くに移して、自らの子孫を王として治めなさいとアドバイスを言ってくるという内容でした。

王様はこれは神様のお告げに違いないと思い、加葉原かようげんに遷都し国の名前を東夫余ひがしふよと改名しました。

金蛙の時

 やがてかつての王が隠居すると、金蛙きんあが王位に立ちました。

そして世継ぎを授かるために、王妃となる人物を探しに出ました。すると、太白山のあたりに住んでいた、川の神の子供である柳花りゅうかという女性に一目惚れし王妃にしました。

柳花はとても立派な姫になり幸せな毎日を送っていました。ある日柳花のところに、解慕漱かいばそうという人物が現れました。解慕漱は金蛙きんあでなく自らが天帝の子であると主張していたのです。そんな人物に誘われ、柳花は熊心山の麓の、鴨緑室おうりょくしつというところで遊んでしまいました。するとそれを聞いた金蛙は大変怒って、柳花のことを部屋に閉じ込めてしました。

閉じ込められている間に柳花は身ごもり、出産をしましたが、生まれてきたのは人間の赤ん坊ではなく、なんと卵だったのです。それを見た王様は気持ち悪がって、犬にやりました。がしかし、犬は逃げてしまいます。それは犬だけでなく、馬も牛も皆逃げていってしまったのです。

王様は仕方なくその卵を野原に捨てに行きました。するとそれを見た鳥たちがその卵を温め始めました。王様は、これは怪しいと思いその卵を割って中を見てみることにしました。しかしどれだけ力を入れてもその卵は割れません。やはりこれはおかしいと思い、仕方なく生みの親の柳花に返しに行きました。

柳花は大変喜びその卵を風呂敷の中に包んで暗いところに置くと、すぐに殻を破って男の子が生まれてきたのです!

その男の子は実に頑丈で元気でした。そして七歳ごろには他の子供達と比べて秀でたものを持っていました。弓をひくことが格別に上手で、一度弓を向けられたものは生き延びることができなかったとも言われています。朝鮮では昔から弓を匠に操るものを朱蒙しゅもうとよんでいましたので、その子は朱蒙と呼ばれるようになりました。

朱蒙の幼少

 朱蒙しゅもうは日に日に強くなっていき、ついにはお付きの人にも恐れられる存在になっていました。「朱蒙は普通の人間ではない。今のうちにどうにか対処しなければ今後大変なことになりかねません」と王様に進言する者もありました。

しかし王様はあまりその話に耳を傾けませんでした。朱蒙の本当の力をまだ知らなかったのです。

ある日王様は朱蒙とともに、馬に乗って猟に行きました。そこで朱蒙は山のように多くの獲物をとったのです。しかも王様はずるをして、体格の良くない馬と、打ちにくい弓を朱蒙に持たせていたのです。そのコンディションの中で、自分より遥かに多くの獲物を仕留めた朱蒙。王様はいよいよ気づきました。そして朱蒙を暗殺することを企てます

それを母親である柳花は察して、朱蒙に対して「この国の人々はお前を殺そうとしている、辱めを受けるよりもどこか遠くに逃げて、良い場所を見つけてそこに住みなさい」とアドバイスしました。

朱蒙の旅

 朱蒙はそう言われたので、友人3人とともに、淹流水えんこすいというところに逃れようとして、道を進みましたが、途中で鴨緑川に差し掛かり、その革を渡ろうとしましたが、橋も船もなくそのように渡ろうか思案していましたが、とうとうアイデアが浮かばず立ち尽くしてしまいました。

そこで朱蒙は水神様に向かって、真心を込めて祈りました。「私は天帝の子、河伯の孫であります。今追ってに追われて大変な状況です。どうかお助けください」と。そうすると、なんとも不思議なことが起こりました。川の魚たちや、亀たちが集まってきて、橋を作ってくれたのです。神に感謝しその橋を渡り、毛屯谷もうとんこくというところまで行きました。

そこで3人の隠者(宗教者)にあいました。その3人は、再思さいし武骨ぶこつ黙居もくきょと言いました。彼らには姓がなかったので、朱蒙はそれぞれ、克民こくし」仲室ちゅうしつ小室しょうしつという姓を授けました。そして朱蒙は「ここにいらっしゃる方々は私の大業を助けて下さる方々に違いない、皆で力を合わせて大業を成し遂げましょう」と言い、その3人とともに、卒本川というところを都と定め、国を作ることにしたのです。

佛流水ふるすいに宮殿を建て、その国を「高句麗こうくり」と名付け長く治めることになりました。

高句麗のスポット

世界遺産・古代高句麗王国の首都と古墳群 (中国)

現在の中国と北朝鮮の国教に面した街に高句麗の古都があります。この場所は世界遺産にも認定されており、これから紹介する北朝鮮の遺跡よりは行きやすいでしょう。歴代王の古墳も多く存在しています。

世界遺産・高句麗古墳群 (北朝鮮)

ここも世界遺産。平壌の近郊に古墳が点々と存在しています。朱蒙のお墓もこの辺り。東明王稜というところで祀られます。ただ北朝鮮はなかなかいけませんよね。。。

朱蒙がモデルとなった作品

朱蒙 (韓国・MBC)

韓国ドラマはとても人気がありますが、その韓国ドラマの中でもとても有名なのが「朱蒙」です。今回の内容をドラマ化したもので、話数は長いですがとてもよく理解できると思います。お時間のある方はBSの松竹チャンネルでまた放送しているようなので、ぜひご覧ください。

まとめ

 今回は高句麗の建国神話について書きました。次回は百済について書きますのでお楽しみに。

それでは

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