【高麗・歴史】高麗滅亡の歴史について簡単にわかりやすく説明!

朝鮮史・神話

 今日は長い間朝鮮を治めた高麗王国の滅亡についてお話をします。高麗の建国神話をご覧になっていない方はそちらも合わせて読んでみてください。

狩人の宿探し

 昔黄海道の博川に狩人が住んでいました。 ある日この狩人は妙香山で狩りをしていましたが、獲物がいなくてそれを見つけられず、山奥まで入ってしまいました。すると日が暮れてしまい途方に暮れていると、遠くの方に火の明かりが見えました。それを目指して歩いていくと、そこにはとても大きくと奇抜な家が一軒ありました。

妙香山 - Wikipedia
北朝鮮・妙香山 Wikipediaより                           

 そして狩人はその家を訪ねて、一晩泊めてくださいと言うと、中からとても美しい女性が出てきて、とても親切に迎え入れてもらいました。その女性は宿を提供するのみならず、豪勢な食事までも用意してくれました。狩人はとても喜んで平らげました。

衝撃の展開

 夜が更けた頃、彼女の父親が家に帰ってきました。それを見た狩人は腰を抜かしました。巨人だったのです。家の屋根の高さが、お父さんの腰の高さくらい。それでも家に入ってきてゴロンと横になって寝てしまいました。とても恐ろしい風貌でありながら、とても心優しく、温かい声で「お客さんにご飯は済んだかい?」などと女性に訪ねていました。娘から返事を聞くと安心してうなずきました。

そしてこれからがお父さんのご飯の時間です。その光景を見て狩人はまた腰を抜かしました。なんと豚一頭丸々だったのです。それを見て狩人は明日には食われるのではないかと震えながら一夜を明かしました。

恐怖の夜をこえて

 朝起きると巨人はまたも狩人に気を使って、「お客様に朝ごはんを出してやりなさい、私はいつもの生肉でいいから」などと気を使っていました。お父さんは朝食を済ませると外の野原の上に腰を下ろし、太陽を眺めていました。すると家の方を振り向き狩人のことを呼びました。狩人は「ついに食われるのか」と、怖がりましたが、覚悟を決めてお父さんのところへ行きました。

 するとお父さんは「そうかしこまらずに楽にしてください」と言い、その後も話を続けました。「あなたは本当に幸せな方です。実はあなたがここに来るようにしたのは私なんです。本当に大変なお願いですが、私の娘と結婚してやってくれませんか。その御礼に私の持っているすべての革を差し上げます。」するとお父さんは話も終わらないうちに、倉庫に行って有りたっけの革を出してきました。

 それを見て若者は結婚を受け入れることにしました。狩人は娘をおぶって船着き場まで行くと、お父さんはありったけの革を持ってついてきました。そこで別れをしようとすると「この革を売たお金で、牛2頭と塩をもって5日後にこの船着き場に来てください」と言いました。狩人は約束を結んで別れました。

新婚生活

 狩人は急いで家に帰ると、家庭を整えました。それからお父さんにもらった革を全部売り、牛2頭と塩を持って船着き場まで行きました。するとお父さんは山のようにたくさんの色とりどりの革を持って待っていました。そして狩人が牛と塩を渡すと、お父さんからそれらを受け取りました。別れを告げようとすると、お父さんは「また5日後に塩だけ持ってきてくれないか」と頼まれました。

 5日狩人はまた頼まれた塩と、牛2頭を持って船着き場まで行きました。するとお父さんは牛をほしいとは言っていないが、なぜ持ってきたのかと不機嫌そうな顔で言いました。すると狩人はすかさず「お礼の気持ちも込めて牛くらい送らせてください」と言いましたが、お父さんは「牛なんかもういらないんだ。これが永遠の別れになるかもしれないが、お達者でな」と言い残し、歩いていってしまいました。

お父さんの秘密

 しかし狩人ははあまりにもあっけないので「なんの秘密があるのか教えてください」と訪ねますが、何も答えません。お父さんは「この秘密を話すことはできないですが、来年の端午の節句にあの海岸に貴公子が来るでしょう。その人に聞けば私の秘密がわかります」と言って姿を消してしまいました。

そして翌年の端午の節句。狩人は忘れずにその海岸にやってきました。そこで貴公子に深い一礼をして話を聞いてみると、「その父という人はきっと、天地精気から作り出された霊魂であろう。それを禹という。もし禹が存在しているときは国家が安泰であるが、人間になってしまうとその精気が化けて、国や自分の家に悪運を招いてしまう。そして禹が人間として現れるためには塩を食べなければならない。ただし塩を食べても、生肉を食べると5日はその期間が伸びることになっている。最後に肉を断れれたというのは、ついに人間になることを決意したからではないか」「ということになれば、高麗も永くないな。」と一言独り言を言って去っていきました。さり際に狩人は貴公子に名前を聞きました。すると「鄭夢周ていむしゅうである」と答えて走っていきました。

 そしてその後三十年で高麗は滅びました。

まとめ

 今日は高麗の滅亡についての神話をお話しました。

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